文章物なので、シーンの一部を。
実物はきちんとレイアウトされています。


■導入ステージ2■「ヴィクトール」セシリア=トア=ミューレン

静かな部屋に窓の外からかすかに剣戟の音が届いてくる。
ここはシュタインシュロス領主の執務室。
室内にいるのは若き傭兵騎士・「ヴィクトール」ことセシリア、シュタインシュロスの女領主・コーデリア。
そしてノエルという10歳位の侍従の少年と相談役の青年。
ここでは貴族達が会議をしているはずだった。
しかし、貴族達の姿はなく、いるのはこの4人だけ。
兵士達も戦える者たちは城壁の方に回されている。
そして4人だけの会議の内容は、決して明るいものではなかった。
理論的な言葉は、確かにあっているのだが焦りを招く。

GM:相談役は黒髪の理知的な若い男です。整った顔立ちをしていますが、どこか冷たい印象を与えます。
GM/相談役:「領主、ご決断下さい。もうこの街の医薬品が足りないのです。
   重症の兵士達を切り捨てる事が可能であればその分の医薬品や食料を他の軽傷者に回せるのです。
   今からでも遅くありません。医薬品は軽傷者にまわすべきです。その方が、理にかなっているではありませんか」
セシリア:その言葉に割り込みます。
   「私は、簡単な介護でしたらできます。もしよかったら介抱は私に任せてもらえませんか。
   その代わり、重傷の人間に薬を回していただきたい」
GM:コーデリアは迷った顔をしていましたが、セシリアの言葉を聞いて顔をあげます。
GM/コーデリア:「ああ、セシリアありがとう。それは助かるわ。
   本来であれば私があなたの代わりにするべきなのだけど。お願いしていいかしら」
セシリア:「ああ。もちろんだ」
GM:では相談役がビクトールを見て少し不満そうに見ていますよ。
GM/相談役:「ですが、それも一時しのぎにしかならんでしょうな」
セシリア:「なに、一時しのぎでもミンネゼンガーから救援が来るまで持ちこたえれば良いのだ。
     救援を求めたのが一週間前。そろそろだ」
GM:相談役は、そこで身を引きます。
セシリア:「ところでコーデリア。この街の貴族達は街の一大事だというのに、なぜここに集まらないのだ。
     本来なら街のためにもっと話し合うべきだろう」
     と、人気のない執務室を見回します。
GM/コーデリア:「それに関しては私も彼らにお願いしたのです。
     我々に彼らの私財から兵や軍隊のための物を提供して欲しいと。
     反応は良くなかったけれど…。」
セシリア「だが、この街の城壁が破られたら彼等だって死んでしまうだろう」
GM/コーデリア「貴族達は、もうそろそろ救援が来るのに、なぜ自分達が懐を痛めなければいけないのか、
     と考えているのでしょう」
     勿論、貴族達も私兵を抱えているので出してはいますが、最低限の数です。
     セシリアもこの街の滞在中に気づいてきましたが、コーデリアは前領主の妾の子なので身分が低いのです。
     直系の子供達が運悪く死んでしまったので、彼女が領主として呼び寄せられたのですが、
    「不義の子」と貴族達に軽んじられています。
セシリア:ではコーデリアの手を取って励まします。 
    「わかった、コーデリア。私が君の力になる。、この街の貴族どもに君が有能な領主だと思い知らせてやろう。」
コーデリア:「ごめんなさい、ごめんなさいセシリア。私はいつもあなたに頼ってばかりいる。」 
    そういってコーデリアは目を伏せます。
ビクトール:「何を言うんだ。君は辛いと分かっている場所にも自分の意思で戻ってきた。君は立派な領主だよ」
GM:ふと気づくと階下のホールから音楽が聞こえてきます。貴族達がパーティを始めたのでしょう。
セシリア:「こんな時だというのに!! 」 
     憤慨してベランダに出て下に控えている傭兵達に向かって叫びますよ。
     「お前達! 貴族様がパーティで遊んでいる間、私達は仕事をするぞ!」
GM:ではその声に傭兵達は「おう!! 」と答えます。
   傭兵達とセシリアがオークとの戦いに戻るところでこのシーンは終了です。